薔薇の原種は、北半球の温帯地域で適応・多様化し分布を広げた。現在北半球に自生する薔薇の原種は150~200種類ほど。ヨーロッパ、アメリカ大陸、中国、日本にも原種の薔薇が存在する。
南半球に薔薇の原種は無いとされている。赤道付近の熱帯地域が温帯性のバラ属の南下を妨げ、また、北半球には広大な陸地が存在し、薔薇が分布を広げやすく、種の交流が盛んだった。それに対し南半球は海洋が多く、陸地が分断されているため、分布拡大ができなかった。
中国西南部の四川省や雲南省、またヒマラヤから西アジアにかけて原種の薔薇が多く、バラ属の発祥地と考えられている。
原種の薔薇は、シュラブ樹形かつるばらで春のみ開花する一季咲きがほとんど。中国に自生していた庚申ばら(ロサ・キネンシス)は現在の四季咲き薔薇の祖先とされている。
原種の薔薇は略記号で“Sp”と表記。原種 (Species)の薔薇は人の手が加えられていない野生薔薇で、基本種、自然交雑種・亜種、変種、枝変わり・選抜個体も原種に分類される。

